マウンテンのアート系の代表曲。
ベスト・アルバムの解説では、パワー・アート・ソングなんて表現もされているが、
まさに、芸術性とハード・ロックが高度に融合された曲だろう。

ナンタケットは昔の捕鯨漁が盛んだった場所(米国)。
鯨漁の方法は、鯨をめがけ紐付きのモリを飛ばして突き刺し、
一定時間泳がせ、体力を奪った後にとどめをさすらしい。
泳がせている間、鯨が船を引っ張っていくことになるが、
この状態をスレイライドと呼んだようだ。

中間部のベースとギターが一体となる部分は、
嵐に遭遇し、船が海と一緒になっている場面か。
はたまた、大鯨によるスレイライドを表現したものか。
続く高音のキーボードが鳴るパートは、
一難去って、夜に陸の恋人の夢を見ている一幕だろうか。
ベースは、大海原のうねりのように聞こえる。

ハード・ロックでありながら、ここまで聴き手を物語に浸らせる曲はそうはあるまい。

2ndアルバム「Nantucket Sleighride」(71年)収録。


歌詞の内容
特に目立ったストーリーの無い恋愛+捕鯨の歌。
女を陸に残して男が捕鯨漁にでかけるが、
結局、鯨は見つからず帰ってくる。

副題「To Owen Coffin」(捧ぐ、といった意味だろうか) は、
どういう理由でついているのか分からない。
英Wikiによると、Owen Coffin は漁師であり、
米国ナンタケット島から太平洋に捕鯨漁に出かけたが、
クジラと衝突し船は破壊され、他の漁師らと小さなボートで漂流することとなった。
漂流が続いて食料が尽きたため、クジ引きで提供者を決めることになったが、
そのクジを引いたのが彼であり、他の者が代わりを申し出たがそれを拒否し、
結局、自らの肉体を食料として提供した。
1821年の話。彼はまだ10代後半だった。

マウンテンの歌詞では、鯨に遭遇せずに帰ってくることになっているが、
どうしてこの内容で To Owen Coffin となるのか。
素晴らしい曲ができたことに対しての感謝、といったところか。

Mississippi Queen の記事
Theme For An Imaginary Western(想像された…)の記事


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